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2006年11月17日

第51回日本生殖医学会を終えて

2006年11月17日
11月9日~11月10日にかけて大阪市で生殖医学会(旧不妊学会)が開催されました


同日は急遽クリニックを休診にさせていただき、ご迷惑をおかけ致しました。
全国学会の良い点は、共に大学で苦労し精進してきた仲間や諸先輩方と率直な意見交換が出来る事で、今後の治療の向上に役立つ点も少しは吸収出来たかと思っております。
学会内容としては、結婚年齢が上昇した為か、「30代後半からの妊娠率の向上をいかに良くするか」と「多胎防止をいかに行うか」と云う臨床テーマの発表が多く見られたように思います。元々の体外受精の出発点は「精子が少ないと云う男性側の因子」あるいは「両方の卵管に問題のある女性側の因子」の2点からでありました。この観点だけから妊娠の成立を論じた場合には、それほど不妊治療は困難なことではありませんでした。それが現在では、免疫的な因子も含め原因不明な治療経過にまでその適応が拡大し、基礎的根拠や実証の無い治療的工夫が繰り返し論じられる事で、治療の本質を複雑にしているようであります。ある程度年齢の達した患者様からは「卵子の質が悪いのでしょうか」と云う、驚くような専門的な質問を受ける事があります。「卵子の質がたとえ悪くても、妊娠させてあげれば問題ないでしょう?」と私は答えてあげております。
もうすぐ年度末になり、今年の不妊治療の集計が出せるかと思います。ほとんど周辺地域の方々の治療が中心となりますが、2クラス位の学級は作れたかと思います。
これから寒さも厳しくなります。妊娠されている方もこれからの方も、風邪やインフルエンザには十分に気をつけ、健康な毎日を過ごされる事を願っております。