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2004年9月11日

不妊症治療に関する保険診療と自費負担に関して

2004年9月11日


 どこのクリニックでもお問い合わせの多い内容なので、ここでは不妊症治療に伴う排卵日確定の為の「超音波検査」と「精液検査」を例にとって説明させていただきます。

 「超音波検査」は、1疾患に対して月1回の検査のみが保険適応となっています。故に、2回目以降の検査は各クリニックが独自に定めた自費負担となってしまいます。不妊治療において正確な排卵日を読み取る為には、1回の超音波検査で全てを推定することは不可能で、これが患者さんの負担となってしまうことは疑いの無いことです。例外的に、クロミッドやhMG製剤等の排卵刺激を行っている周期に関しては3回までの超音波検査が保険適応となっています。この辺りで、同じ検査をしても窓口料金が異なってくると言う不自然さが生じてしまいます。
 不妊症治療において不妊原因を検索確定することは最も大切なことですが、スクリーニングとしての検査は全て保険適応外となってしまいます。「精液検査」は不妊原因の検索としてよく行われる検査ですが、これもスクリーニング的意味合いからは自費負担となります。しかし婦人科の特異性として、妻の不妊治療の検査過程(例えばフーナー検査等)において夫の精子が「少ない」とか「無い」とかが疑われる場合には、夫の検査が保険適応となります。泌尿器科と異なり、夫の検査に妻の受診履歴と妻の検査内容が必要となることに、時に納得出来ない患者さんがあることも理解出来ますので、そのような場合には費用は高くなりますが自費負担での精液検査をお勧め致します。

 以上、お問い合わせの比較的多いと思われる2検査に関して簡単に説明させていただきましたが、排卵前や黄体期のホルモン検査等その他にも保険診療と自費負担の重なる検査は多々あり、不審な点はその都度お問い合わせ願えれば幸いです。